カーテン
ミナト 螢

古い手を繋いで来た約束は
一瞬の風の中を盲目にする
先へ進めないような不安さえ
スライドさせればマントになるよ
放課後を待つだけの時間に
目を細めながら夢を描いた
どこか遠くへ行きたいな
それは僕の未来のつもりで
誰にも会わず誰かに会いたい
揺れるカーテンは何を隠した
青い空、白い雲、
折れたばかりの鉛筆の芯で
あらゆる景色を止血するけれど
薄いから透けるその柔らかさに
時間は戻らないことを思い知る


自由詩 カーテン Copyright ミナト 螢 2020-04-20 20:34:00
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