journey
墨晶
「 ここはあたしたちがみつけたばしょだから
あんたどっかべつのところでおべんとうたべなさいよ 」
と云われた女の子は
ひとり 歩いて歩いて
森をぬけ
インドに着きました
みんなも先生も
女の子がいなくなったことに気付きません
岩山にのぼり
お寺でごはんをもらい
橋の上から河をながめていると
「 つまんない
帰る 」
女の子の家では
お父さんとお母さんが泣いていました
「 お金あげるから家にいてくれ 」
泣きながら云うのです
「 いいわよ 」
「 退屈ね 」
女の子は遊びに出かけました
女の子と同じ年齢くらいの男の人が歩いてきます
「 どこかで会ったひとだな
誰だっけ 」
すれちがったとき
木の枝が折れるような音がして
男の人は胸を押さえて倒れました
死んでしまったのです
自由詩
journey
Copyright
墨晶
2019-11-24 05:02:10
縦