気づいたら歌詠む人になっていた
こたきひろし

気づいたら
私は
この地球の上で歌詠む人になっていた
星は
星の数ほど有るらしいけど
私は仮の住まいを地球上に選んでいた
のです

その時
私は大都会の一隅で
一人の男性にひそかな想いを寄せていました

だけど
私は文学好きな女で
口ではうまく言えなくて
思いを文字に託そうとしたのです

告白の手紙を書いて
その中に一首詠んで渡そうとした

その一首がどうしても思いつかなかったの

たとえ一首を思いついて
上手に詠めたとしても
相手が歌に興味なければ
何これ?
暗いなって思われかねない
思うでしょう
きっと

古風な女だと思われるより
重く受け止められて
ふられるよね
きっと

気づいたら
気づかなくても
私は勝手に男の人を好きになり
勝手に燃えて
あれこれと思い悩み
自分の中だけで
結論出してしまう
文学好きな女でした

そんな事の繰り返し

このままいくと
永遠に処女のままかも
しれません

勿論
純潔の安売りはしたくないし
結婚したら
貞操守ります

好きな人の赤ちゃん産みたいし
育てたいです

でもね
文学少女から
文学女子になってしまった私は
この先どうなるんでしょうか
わからないのです

与謝野晶子みたいにはなれそうにありません


自由詩 気づいたら歌詠む人になっていた Copyright こたきひろし 2019-05-11 08:18:26
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