朝方の逍遥
メープルコート


 ほんの小さな夢を心に描きながら森の小道を往く。
 爽やかな透明な風に彩られた五月の朝だ。
 たまにすれ違う人々に軽く会釈し、心で感謝する。
 心にともしびが宿る、そんな瞬間を心待ちにして生きている。

 穏やかな町に住む人々の心は清涼だ。
 よそ者の私を気兼ねなく受け入れてくれる。
 心の故郷はいくつあっても楽しい。
 都会的刺激はもはや必要ないのだ。

 困難な人生を送ってきた人ほど美しい心を持つ。
 すべてを信じ、受け入れてしまうから。
 苦悩を抱える人の瞳の美しさ。

 人から否定されても決して自分を卑下するな。
 自分は美しい人間だと自覚しろ。
 私も貴方もこの美しい地球に生きているのだから。


自由詩 朝方の逍遥 Copyright メープルコート 2019-05-11 06:57:27
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