君の名は?
しょだまさし

「君の名は?」
そう繰り返し語りかけることで
僕は自らの不安と焦燥を紛らしては
歩き続けたことがある

幼少の頃の思い出は
柔らかくて温かくて
ちょっぴりくすぐったいものだった

砂混じりの風が
頬を流れて乾いた涙に
付いていた

運の良いことに
僕らは同時に保護された

迷い子の僕に抱かれた迷い犬
“君の名は?”


自由詩 君の名は? Copyright しょだまさし 2019-04-17 20:59:47
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