春のような不安
赤椿

ちかり ちかり と

機械の奥で青白いひかりが 点滅している

とりあえず 生きていますよ  と報告しているみたい

なんて 持て余した時間に妄想して

勝手に泣きそうになったのは 疲れていたからではありません

何十回 春を迎えても 桜を見て泣きそうになるのと同じです

大人は泣かないなんて 嘘で いつだって泣き出したい

大人になるにつれて 怖いものがどんどん増えてゆくのです

花の蜜も吸えなくなって 何を楽しみに過ごせばいいのですか

どんどん わたしの睡眠時間は長くなって

子どもに戻る時間が増えてゆくのです







自由詩 春のような不安 Copyright 赤椿 2019-04-17 20:05:07
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