同類
Lucy

大人になると嘘つきになると
思っていた

正直に生きようとして
棘だらけのつる薔薇みたいに
剥き出しの自我を絡めあい
傷つけあった

あなたとわたしは同類

どうしようもなく我儘で
寂しがり屋で
自己チューで
自分の心こそ誰より傷つきやすく
花びらみたいにやわらかいって
信じてた

傷つけられたことだけは
いつまでも憶えてて
傷つけたことには
自覚すらない

お互いの才能を
この上もなく買被りながら
妬んで

だけどわかった
やっと離れて
風に揺れる秋のつる薔薇

嘘をつくのは
やさしさだね







自由詩 同類 Copyright Lucy 2016-10-30 22:40:54
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