夏のニューヨーク
番田 


そこで 街に住む誰かが描いた絵や 
立体作品を見ていると
人気のない通りの何処かから 
バンドの演奏が ぼんやりと 聞こえてきたりした 


海に面した通りに スーパーマーケット そして 通りを歩くと 
レンガ造りの倉庫街 
私は友人とむき出しのアスファルトの上で 昼ごろ  
名前の知らないハンバーガーを食べた 


あの日 夏だというのに風は爽やかだった そして
友人は映画館の前で足を止めた  
壁の厚い部屋で 真っ白な空間に いつも
かすかな冷房の音だけが響いていた 


それからグリニッジビレッジのCDショップに入り 
私は そこに並んだCDを見ていた
オアシスがまだ売れ始めた頃の 
よくわからない海賊版 


ニューヨークのチェルシーを 
昔 私は歩いていた
そしてホテルの前の屋台でナシゴレンのようなものを買い 
それを 腹をすかせた私たちは 食べたのだった



自由詩 夏のニューヨーク Copyright 番田  2016-07-18 18:56:12
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