あるバス停で
番田 


私が昔、パリからの航空機を利用し、マルセイユの空港に着いた時、薄曇りの空模様だった。空気は少しだけ乾いているように感じられた。そして、空港から街までの格安バスがあるらしかった。しかし、確か、10ユーロほどだった。私はネットからプリントした情報を頼りに動いていた。辺りを歩きまわっていると、確かにそれらしきバス停があった。しかし、そこで待つ人はまばらだった。私はビームスからこさえた星柄のシャツを着ていた気がする。それは新宿で買ったものだった。そのシャツは、セール品なのに7000円もした。それは、昔UKに旅行した時も着ていたもの。あの頃はまだ、私には一緒に出かける友だちがいた。彼と庭園を散歩した時に撮った写真の私は、ナイキのエアマックスにその、ビームスのワイシャツという格好だった。しかし、私は思い出したくはないが、当時も失業していた。そして私の人生、失業が常だ。

ホンダの本社に運良く内定した友人とその日は会った。そして、私は彼と会う前、歌舞伎町の風俗店で1時間プレイしたのだった。私が半値で指名させられた女の子だった。しかし彼女は余り人気がなかった。私は彼女を一目見た時、好きだったのだけれど、その指名料のことを、プレイ前に告げてしまった。17000円だったが、私が好印象ではなかったらしく、彼女に時間を短くされたのを覚えている。


散文(批評随筆小説等) あるバス停で Copyright 番田  2016-07-12 00:20:33
notebook Home 戻る  過去 未来