浄化されし世界の中で
紫音

粉雪が舞い落ちる
  ひらひらと
    ふわふわと

       世界が白に染まる
    視界が白で埋まる

 浄化が街を覆う
   全てがリセットされる

ボクは立ち尽くす
  黒いコートの人影

          白の中に黒の翳
      浄化の中の穢れ

 世界が動いていく中
ボクだけが取り残される

    再生の歓喜さえも
          横をすり抜けていく

    北風は冷たく月は輝く
     体は震えても心は震えない

  ボクはいつから何を忘れ
      いつから何を捨てた


感情に押し流されるのが怖い

                     愛情に浸るのが怖い


  白い世界と黒いボク

モノトーンの憂鬱を
    赤い鮮血で汚したい

   それは動物的本能なのか


それとも取り残された者のエゴなのか


   夜が更けてきても


 明日はこんなにも遠い


自由詩 浄化されし世界の中で Copyright 紫音 2005-02-25 10:07:11
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