風は吹き世界は回り
紫音

強い風が吹く

 北から異国の匂ひを乗せて

  胸の奥を吹き抜ける

   心は晴れない


明るい陽が注ぐ

 空から世界の暖かさを添えて

  体の芯を突き抜ける

   ボクは洗われない


世界は回り続け

 キミは歩み続ける

  ボクは立ち止まる

   それぞれの明日を抱いて


心の距離が埋まらない

 夢との差を縮められない

  それでもキミは歩み続ける

   ボクは立ち止まっている


それぞれの明日を掴むために


キミとボクとの間にある

 それぞれの道を指す

  道標となる大木の影


キミとボクは何かが違う

 二人の明日は何かが違う

  変わること 変わらないこと


それは訪れる夜明けが

 誰にも違う顔をしているように

  自分にしかわからない

   誰にもわからない



ボク達は離れていく

 別の道を選んだから

  同じ道は歩めないから


それでも世界は回り続ける

 世界は沈黙し続ける

  明日を抱く人を乗せて



キミは歩み続ける

 ボクは立ち止まる


まだ道が見つけられない

  今日も 風は吹き 陽は注ぐ


自由詩 風は吹き世界は回り Copyright 紫音 2005-02-27 00:51:16
notebook Home 戻る  過去 未来