踏破したことがない土地が消え
あまつさえ月を足蹴にし
フロンティアが昨日の彼方へ押しやられ
生き物を設計図ごと書き換え
あらゆる場所を舗装し
センス欠乏症のデザイナーズマンションに住む
賢 ....
携帯電話に手を伸ばして
そわそわ そわそわ
折りたたんでみたり開いてみたり
ぶるるっと震えたのを見て
深呼吸をして 開いてみる

ふぅ

っと溜息

繋がっている
離れている
 ....
鬱蒼と茂る蔦と枯木が這う廃屋
誰も居ない清々しい生の匂い
 なびく髪に感じる生々しい脈動

帰らぬ主を待つひび割れた扉
軋みながら倒れ逝く門柱
彷徨い込んだ痩せこけた犬

布団が干され ....
9・11
あのときの衝撃をボクは忘れない
あのとき
ボク


牢獄から開放されたように
とてもスッキリした

そこに人がいて
大勢死んで
そんなことは想像しなかった

ただ ....
突き抜ける灰色の列柱
空を絡めとる錯綜した架線
見下すように監視する漆黒の翼
世界は囚われ視界が捕らわれる
可視性のリアライズに反射する陽光
はためくトリコロールの布切れに
言葉は摩滅消耗 ....
鬱だよねそう言われると鬱になる鶏卵どっちが先か

埠頭まで歩いていって見渡して今日の埋葬明日の瞑想

黒い空と重たい空気のエスプレッソ苦い気分は胸の底まで

ビー玉を舐めてみて思う冷たさを ....
雨音がショパンの調べに聴こえたら
もう頭が足になって
無軌道に駆けまわる

黒鍵の数だけ言葉を投げ出し
白鍵の数だけ吐息を飲み込む

あれは白じゃなくて乳白色なのかも

踊ってるのは ....
幕が下りてショーが終わる
一瞬の静寂
訪れる夜明け
引き戻される憂鬱
後ろ髪の
パラレル
憤りの放出
やるせない排出
追いかけるものを
ベッドの片隅に置き去りにして
ビルが私を迎え ....
星を掴もうとして
空を掴んだ少年
虹を掴もうとして
空を掴んだ少女

手の中に残される春の
薫り
晴れやかで
もの悲しいざわめき

包囲される核心
否応無く起こる革新
砂の上の ....
漆黒の空の下
両サイドをオレンジに染めて
それは疾走する
何を乗せて
何を求めて

やがて
地平線の向こうに
同化して
見えなくなったとき
それはあるのか

森の影に星が沈み
 ....
人の形をしたもの
それは目の前の君と何が違う
そこにあること
そこにいること
折り畳まれたレゾンデートル
展開されたイリア
人形と人間
僅かに隔てるもの
人の形
人の間
戸を閉め
 ....
少女≒純粋
少女≠純情
少女≫無垢
少女≪妄想

この不思議な
視線に塗れた

存在

少女が少女であるとき
それは少女という妄想

汚した存在が
汚れないことを望む

 ....
オーバータイム
オーバーキル
オーバーヒート
オーバーフロー
オーバーラン
オーバーロード
何もかもが過剰だ
ワーカホリック
アルコホリック
過剰は中毒だ
中毒は美徳だ
もっとも ....
切り刻まれた断片
横溢する機械仕掛けの歯車
圧縮され解体される言語
加工され廃棄される生体
ここは陽が昇る度に
碑を刻みこまれる
記憶の残滓

鮮明で鮮烈な網膜の痕跡
模糊で断続な脳 ....
切り取られた断章
誘われる抑圧
黒一色に塗りつぶされた瞳
存在と実在の曖昧な実存
視野の主体性に収められた世界
交錯する本能
希薄化する理性
個性という苦痛
自由という憂鬱
破壊衝動 ....
果てなく延びる灰色の路
どこまでも高くそびえる灰色の塔
無数の閉ざされた扉の列
漏れ出る弱々しい灯り
忙しなく動く膨大な数の体
頭上足下を駆け巡る不可視の奔流
照らし出される表層
生み出 ....
むかしむかしあるところには
おじいさんもおばあさんも
いませんでした
いまここには
あなたもわたしも
いません
ただかおのないにんぎょうと
にんぎょうずきのねくろふぃりあと
そのおはか ....
こころのかたち
おもいのかたち
不確かで曖昧な何か
それは形を纏って現れる
ひとのかたち
機械じかけの人形
食べて歩いて息をして
笑って怒って眠るだけ
壊れやすいひとのかたち
規格生 ....
真っ暗な閉め切った部屋の片隅で白と黒が無秩序に演出する光と闇のコントラストから流れ出す無機質なメロディーが思考を止めたボクの中のレプリカントを愛撫しながらこの狭い小宇宙に光速で進む世界を外から見つめる .... 生きているということ
それは死を生産するということ
死に逝くのではなく
消えつつあるという現実
抗い難い虚しい真実

起きているということ
それは夢を生きているということ
心を躍らせる ....
掴めそうで掴めない霞のような現実
浮遊する心が忙しない廃墟をすり抜ける
あたしはあたしが感じるほどあたしじゃなくて
あたしはあなたが意識するほどあたしじゃない
見上げた空のどこまでも続く世界に ....
毎朝がはじめましてと新鮮なまぶしい目覚め軽いくちづけ

片想いあの手この手で口説きたい君が恋しい一人サーカス

人知れずそろりそろりと訪れる誰も気づかぬ別れの日

毎日が当たり前に過ぎてい ....
人の群れの中を歩く

東京駅の午前八時

歩く 歩く 歩く

人の群れの中を歩く

新宿駅のお昼十二時

歩く 食べる 話す


肌の温度で溢れているのに

気持ち悪い  ....
君は誰だ
僕は誰だ

人それぞれに顔がある
それなのにわからない

心の何処かが冷たい
君を感じるほど堅い

心はわかりはしない
人はわかりあえない

君は何だ
僕は何だ
 ....
強い風が吹く

 北から異国の匂ひを乗せて

  胸の奥を吹き抜ける

   心は晴れない


明るい陽が注ぐ

 空から世界の暖かさを添えて

  体の芯を突き抜ける

 ....
粉雪が舞い落ちる
  ひらひらと
    ふわふわと

       世界が白に染まる
    視界が白で埋まる

 浄化が街を覆う
   全てがリセットされる

ボクは立ち尽くす ....
詩書きというだけで
孤独じゃなきゃいけない理由はない
詩詠みというだけで
孤高じゃなきゃいけない理由はない
詩人というだけで
厭世的である必要はない
詩というだけで
それ以上でもそれ以下 ....
明日くるはずの世界だけが
明けていくような世界なら
明るい気持ちにはなれずに
明暗のないまどろみになる

愛情が壊れていくのを感じ
愛情を失うのを確信する時
愛情に振り回されるだけで
 ....
けっきょくのところ
電光掲示板が時を刻み
一秒が正確に積み上がり
気がついたら明日になり
気がついたら年が替わり
華々しい花火が上がり
アーチストが絶叫しても
ただ今日が過ぎゆくだけで
 ....
まるでパズルのように
少しずつ注意深く繊細に
お互いを重ね合わせて
組み立てたはずなのに

いつからか君だけは
最後の一片を組み合わせても
完成図にいくつもの
欠片は足り ....
紫音(121)
タイトル カテゴリ Point 日付
サンクチュアリの傷口に自由詩1*05/6/11 0:08
そわそわ ぶるる ふぅっ自由詩3*05/6/10 20:12
道の右と左に自由詩1*05/6/9 0:31
衝撃のあとに自由詩1*05/6/6 22:46
ガラスの都自由詩2*05/6/5 20:29
心模様短歌1*05/6/5 2:56
ショパンの調べに聴こえたら自由詩1*05/6/5 2:23
終幕のあとに自由詩1*05/6/4 1:30
忍び寄る陽に怯えて自由詩005/6/4 0:38
あるのかないのか自由詩1*05/6/3 0:58
人の形をしたモノ自由詩005/5/31 23:53
少女命題[group]自由詩0*05/5/31 22:55
過剰中毒[group]自由詩1*05/5/31 1:17
ミレニアム自由詩0*05/5/30 0:25
ユートピア幻想自由詩0*05/5/29 0:43
迷宮 または仕組まれた幻自由詩2*05/5/28 1:00
むかしむかしあるところには自由詩0*05/5/23 18:45
Doll自由詩1*05/4/8 2:37
限りなく光速に近い静止自由詩4*05/4/6 1:26
無価値の等価交換自由詩005/4/5 4:00
自我境界線上のアリア自由詩1*05/3/2 12:29
恋模様短歌1*05/3/1 12:18
肌の温度 心の温度自由詩005/2/28 0:16
冬が巡る午前零時に自由詩1*05/2/27 1:39
風は吹き世界は回り自由詩1*05/2/27 0:51
浄化されし世界の中で自由詩3*05/2/25 10:07
「し」自由詩0*05/2/24 13:49
融解自由詩1*05/2/24 13:24
十二月三十一日自由詩2*05/2/22 20:27
欠片自由詩1*04/11/16 13:05

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