折りたたむ
蒼木りん

ちっぽけな

ノートほどの紙に書かれた

言葉にしたい気持ち

往きたいところ

わたしの住む世界

折りたたんでしまいました

顔を上げれば

往来

それは

「ちっぽけ」って

顔をされるので

折りたたんでしまいました

何枚も

しまい込んで忘れていました

捨てたものもたくさんあります

いまは

捨てなければよかったと思うものもあります

思い出しても

あの頃のようには描けません

とりあえず

また折りたたんでしまうのですが

あとでひろげて見たら

誰かに見られたら

やっぱり

ちっぽけに変わりなく思えて

いったいわたしは

何が大切なんだろうと

掃除しやすいわたしのこころを眺めては

風通しがよくて

ちょっとさむいです

それで

炬燵でテレビを見て

あたたまって

ちょっとこころが振るえたら

「さて、」と

それもとりあえず

折りたたんでしまうのです

もういらないものが

たまって散らかるから

いずれまた捨てることになるでしょう


何のために






未詩・独白 折りたたむ Copyright 蒼木りん 2005-01-29 10:23:04
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