不自然死
木屋 亞万

肉片になってはじけ飛んだ肉体は
まだ私なのだろうか
アスファルトの黒い石肌に落ちた
赤い塊と割れた骨が見える
肉が赤く骨にこびりついている

大量の血を流したことはなかったが
生臭い
鼻はまだ生きているが
次第に血で塞がるだろう

ただただ腐った臭いがする
マンホールの穴の中へ
下水に混ざる
私の中で水分だったもの

痛み止めを飲んでおいて良かった
それでも骨が削れる感覚はわかる
肉がちぎれる感覚もわかる
振動が伝わってきて
気持ちが悪い

吹き飛ばされた
自分の一部だったものが
見える
わかるということ

痛みがなくても
焦燥が止まらない

誰が望んだ結果なんだ
私か君か
他の誰かか

死ぬならば眠るように
ひとかけらも私を失わず
死ぬべきだった


自由詩 不自然死 Copyright 木屋 亞万 2014-03-28 22:08:15
notebook Home 戻る  過去 未来