わらえばいい
ぼくがわらえば
すべてがうまくいくはずだ
いやがらず
がまんして
すべてをうちがわにとじこめて
まるでへいきそうなかおでわらえばいい

わらえばいい
きみがわらえば
 ....
ひつじがいっぴきもいなくなった
こまったしつじはこんせきをたどった

まだあたたかいねどこやら たべかけのくさをみつけては
あしもとをみて ちをはうようにそうげんをいく

たくさんあったあ ....
「お前は死ぬことだけ考えていればいいんだ」豚の頭を撫でながらそう呟いた。いずれ僕に食べられる運命なのに、憐れな豚はすごい食欲で飼料を食っている。

どうやって殺そうか。餌をやりながらいつもそのこと ....
お口はこんなに丸いのにどうして漢字は四角いの
せめてニとか皿とかの方が口に近いよね
口は三画だけど四角で△□に〇い口

口から生まれた口太郎
口から生んだ母は歯が出て間口が広い
歯のせいで ....
2014年11月また冬が来ます
つめたい風の吹きすさぶなか
ひかえめに降り注ぐ光のしてきた
途方もない宇宙の旅を考えたことがありますか
太陽系の中心から暗闇を進み続けた光の粒

息をするた ....
ローマ字で二文字の
幸せをもとめて街へ
電線に引っかかり
風にかき回されて
パリパリに砕けて
サラダにかけて食べられる
底にたまった薄まった汁
一つ残らず管に集めて
遠くへ投げたら
 ....
壁に小さな穴が空いていた

落ちていた髪の毛がちょうど入るくらいの穴だったので入れてみた
すると穴は少し大きくなった
折れたシャーペンの芯を押し込んで
しばらくするとまた少し大きくなっていた ....
この野原から見ていると
あの星達は近過ぎて
隙間を通ることもできない
そんな気分にさせられる

この大空を抜け出して
あの星空に近づくと
どの星達の間にも
果てしない距離があると知る
 ....
もうひとりの自分をずっとさがしている
真ん中あたりで欠けてしまった
この身体にしっくり来る相手を
心の凹みと出っ張りにピタッとはまる人を
その人には愛をこめて「きみ」と呼びたい

いつの間 ....
走るスニーカーの音、砂利がこすれる、膨張収縮膨張収縮くりかえす肺、夜の街
走り抜ける車道、電灯を避ける影、目がくらむハイビーム
からから充血する目から、ずんとひりつく鼻の奥から、発信されるメッセー ....
 駅前にはどこもマンションが建っているけれど、彼女が住んでいたマンションも例によって駅のすぐそばにあった。彼女が住んでいた部屋は電車からよく見えたので、電気がついていたら彼女がいるかとか、洗濯物がある .... 歳を重ねるごとに教科書はどんどん小さくなって、今や親指ほどのSDカードになってしまっている
何からも学ぶことができなくなっていよいよ終末感が漂う

空は暖かな海のように遠いところで水色を安定させ ....
金木犀の木を根元から見上げる
町中ににおいが広がる季節だ
朝晩の冷え込みが増して
空の上底が少しずつ遠くなる

太陽の光が弱まり
勢力を拡大する樹木の紅潮
涼しげな暖色が控えめに
 ....
都会を走れば
何もないことに気づくだろう
効率的で便利だが
この街には何もない

すべての都会は等しく同じ
この国の都会だけじゃない
便利に支配された都会は
速さに乗っ取られた道路は
 ....
細長いため息を吐けば
雨になって壁に突き刺さる

仮面を剥いでも
表皮が乾いた途端また
次の仮面が顔を覆う

背中に羽根が生えたせいで
バランスが取りづらい
かさばって満員電車で邪魔 ....
どれだけもっともらしい言葉を吐いても
お前らは何も語っちゃいない

目に映るものすべてが腐って見える
狂ったように照り付ける日差しも
鉄板になったアスファルトも
粉塵を巻き上げて走る乗用車 ....
紙飛行機がララララ
ファルセットを響かせて
離陸していくその数は
およそ無量大数を越えて

どんなカメラなら
星の小さな輝きを写せるのだろう
消えそうな白いシャツの向こうに
見えない体 ....
シは救いになるか
射出されるパイロットのように
肉体を捨てて魂を脱出させうるか

人生が進み
環境が移ろえば
シを求めることはなくなると
もはやシは
あやしい輝きを
一切持たなくなる ....
未だこぼれ出ぬ涙のために
1tの鉄塊を失って
また人らしく踊れるかもな

大腸の横穴の奥で溶けない氷
夏を越えていく中で
浮き出て腐る
いつぞやの恋は
未熟な枝付枯葉

機械が核の ....
波打ち際に重油を撒いた
小さな見えない火が揺れる
夕焼けみたいだな
波は引いていくのに
火は消えない

水際で阻止された汚染
陸地は汚れなかったけど
海はめらめら
汚れたままだ

 ....
肉片になってはじけ飛んだ肉体は
まだ私なのだろうか
アスファルトの黒い石肌に落ちた
赤い塊と割れた骨が見える
肉が赤く骨にこびりついている

大量の血を流したことはなかったが
生臭い
 ....
点滴を全身に浴び
刺さるたびに針のむしろに治療されます

感謝しましょう
よりよい私になるために針山地獄は苦い良薬

最近のゴッドハンドは
神様のサイコロにさえメスを入れます

まも ....
【寂寥】

ふくろうの骨格をみて少しだけ悲しくなったハイウェイと森

やせこけた我の心の貧しさよ地をはいさまよう腕の細さよ

全身を氷漬けして大砲で発射後すぐに赤く弾ける

憂鬱がおへ ....
ボールの話をします
丸いボールの話です

私はボールを投げる人です
いいえ
投げる人になりたいのです

腕を振って
腰をひねって
手首を返して
ボールを投げます

たくさんのひ ....
山道を行けばどうなることか
くまさんと出会うかもしれない
本物のくまさんは踊ってくれるだろうか
こんな私と頬寄せ合って

まだ慌てるような道ではない
一寸先は闇だけれど
恐れは影すら鬼に ....
繰り返す毎日
何度も同じところを回り続けるペダル
チェーンでタイヤとつながって
前に進んでいく
毎朝同じ道を行くとしても

繰り返す毎日
いつも同じ時刻の電車に乗って
早足で乗り換えを ....
細長い廊下の突当り
洗面台で顔を洗う
銀十字の蛇口をひねり
白いしぶきを手ですくい
顔にかける

清潔な白いタオルの
やわらかな糸で水をこすり取る
鏡の向こう
自分と目が合った

 ....
 冷房をきかせた部屋で、少しずつ冷めていくベッドのシーツを撫でながら、吐くように泣いた。体の中の悪いものが外に出たがっていて、こらえきれずに涙になってあふれた
 白い布地に落ちた雫がブラックライトに ....
生まれてすぐに聞いた歌が
今まで聴いた最高の曲
あれ以上うまく歌えない
生命の叫びも今では
口を嘘に染めあげて
ひどく空虚に響くのだ

不純物の混ざった星のかけらの
砕いて削る前の青の ....
あの猫の名前はマダナイっていうんだ、
名作の書き出しに目がないようで
いろいろ聞かせてやっているんだが
書き出ししか知らないせいで
良からぬ方へ想像の羽を広げてしまっているようだ

「親譲 ....
木屋 亞万(531)
タイトル カテゴリ Point 日付
それだけでうれしい自由詩4*14/12/22 0:37
ひつじのひるね自由詩3*14/12/7 2:03
今夜は何を召し上がりたい?自由詩2*14/11/30 2:10
口をぽかんと開けて自由詩4*14/11/22 22:34
冬、はじめました。自由詩5*14/11/15 20:22
de-aiの散歩道自由詩2*14/11/12 21:48
自由詩3*14/11/8 18:36
ほし自由詩1*14/10/26 2:10
きみのすべてよ応答せよ(リライト)自由詩4*14/10/19 8:08
きみのすべてよ応答せよ自由詩1*14/10/18 9:41
風のはじまりをあなたは知っていますか?散文(批評 ...0*14/10/13 10:18
美化されすぎた世界のせいで自由詩3*14/10/5 21:26
花の下にて、秋自由詩3*14/9/26 22:16
唯一無一自由詩3*14/9/23 22:16
ため息の雨自由詩4*14/8/31 19:24
石を投げたら土をかけろ自由詩5*14/8/7 0:31
空卵自由詩3*14/6/23 0:40
自由詩4*14/6/8 22:13
自由詩2*14/6/2 0:26
シーサイド自由詩2*14/4/20 23:59
不自然死自由詩1*14/3/28 22:08
不治の病に逝きつつうつつ自由詩2*14/1/26 1:34
日常漏泄短歌4*14/1/3 23:20
ボール自由詩4*13/11/24 23:42
山道を行く自由詩2*13/11/4 0:31
それでも自由詩10*13/9/21 7:33
小娘 自由詩3*13/9/14 15:05
Hotaru hotelのほとりで自由詩4*13/8/14 20:16
熟腐自由詩4*13/7/20 0:59
あの猫の名前はマダナイっていうんだ、自由詩6*13/6/15 17:58

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