白いパナマ帽
草野春心



  不確かな骨だけを残して
  夕暮れの時間は風に流されていった



  きみの膝の上に載せられた 白いパナマ帽
  それは何の前触れもなく ただそこにあった
  それはまるで 誰かの指のようだった
  
 しろいゆめのなかに
    くろいゆめがひかっている
     かたつむりはあめにつやめき
      りすたちはゆきのなかで かたいものをかじる
       きみは うかんでいる てんごくからきたひとのように
        きみは わらっている てんごくからきたひとのように

  




自由詩 白いパナマ帽 Copyright 草野春心 2014-02-09 22:43:09
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