エーテル 16
草野春心



  静かだった……
  禁じられていることは それほど多くはないはずなのに
  ただ、いくつもの瞳だけが 土埃に塗れながら
  風と風の間で何度もはね返っている
  男たちの沈黙はカラスに啄まれ
  女たちの哄笑は泉へと落ちる
  くりかえすことは、いつも、静かだった
  けれども夕焼けは おそらく あなたの骨のなかで
  狂おしいほどに煌めいている




自由詩 エーテル 16 Copyright 草野春心 2014-01-20 23:55:22
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