凧の無い空
番田 

ペンを取る鉛筆立ての中は空っぽ
ノートの上でぼんやりと何かを考えている 
鉛筆のないテーブル 蝶の舞う緑色の庭のすみっこで
一人でいたら 生きる者はすぐに死ぬのかも知れない
一人で詩の言葉を書くことに意味など無かった
意味については理解できなかったけれど
言葉を考えることの意味 それ自体は何だろう


事物が見えなくなる
空に消えかけた自分の姿を想像していた
心の中に覚えていた
覚えていた その 自分の体を
見えたものとしての骨にして
歩き出す 体は
きっと街で 目を
生きた その 頭を


自由詩 凧の無い空 Copyright 番田  2014-01-03 02:18:14
notebook Home 戻る  過去 未来