大分川
朝焼彩茜色

県民歴3年

まだ「知心剣」を使いこなせない

大分川沿いを毎日 散歩していた 普通の大きな川
私にとっては新天地の特別な川

川沿いの舞鶴高校生がカヌーの練習をしていた土曜の午前
先生は自転車でメガホン片手に あーだこーだの指示

他愛のない光景の微風 空のトンビ 木のウグイス 川のカモ 橋のウミネコ
太陽の日差しが川に反射すると キラキラしていて
何でもできそうな気がした

穏やかな 陸へ流れているのか 海へ流れているのか
心が揺れるような 不思議に刹那を数えるような川 大分川

県民歴3年 

まだ「知心剣」を使いこなせない

塩味の効いた県民性 余計な味付けはいらない さっぱりしている
声をかければ自分のことを忘れて 応えてくれる
純粋な優しさ 私はその純粋な優しさを数えて3年になる

まだ方言は喋れない させどそこまで飛びぬけた方言もない
美しい日本語に変わりない

ただ「知心剣」という粋な言葉を得ていない 悔しいけれど
新しい感覚故と承知している 
新しいものの青写真に奥行きを 思う存分予想を広げる 翼のように

縁があってここに来ている

県民歴3年

昨夜の大分川沿いの花火を 家の玄関を開けて見ていた



※「知心剣」(しらしんけん)とは一生懸命という意味です。


自由詩 大分川 Copyright 朝焼彩茜色 2013-08-05 15:45:47
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