春日線香

まどろみの
虚ろに耐えている
生物がいると
伝えてくれたこともあり
それならばこのようにして
指を浸し
呼び止めるならば
花は花を覆い
応えた面影の数にだけ
ゆるく髪を梳かし
蛇行して銀色に光る
唄のように果てへ
続くものの彼方
流れながら
可憐な鱗を落としていく
精が一人
振り向いて言った


自由詩Copyright 春日線香 2013-04-15 14:11:15
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