水棲
春日線香
水を
拭わずにきた
ざわめきの彼方から
萎んだ心臓は
息を送り出し
闇の下生えに隠し
やまいは花を
群生は
水かきの張った手で
がらんどうの
再生を試みている
伸ばせばそこに
閉じた水面に
透き通った
茎に触れる
自由詩
水棲
Copyright
春日線香
2013-04-20 02:03:45