ブラボーだんだん
アラガイs


四つ目は両手の拳を突き上げて「御節が来たよ」と駆けまわる
階段を望みながら
節々に音楽室のまえ
渡り廊下から滑り落ちてくる気配
たまに体育館のマットの上に寝そべり
(紙きれに書かれた日の丸の旗を取ってこい)
それは舌を出し指示したり
あいつが躓くときには必ず煤けた白い蝶が舞う
照れを隠した田んぼのだんだん
わざと転んで見せては、汗をかいてみたり
雨の日の昼下がり
びっこは引き分け小走りな爽やかさ
そこらじゅうの廊下を靴音が翔んだ
よく聴き取れなかったのは、負けを認めたくなかったから/
/
晴れた日の青空に街はちぎれ雲を追いかける

屋上から見下ろせば、さすがにきれいに文字化された中庭の柘植
「落書きされたのは干物のかかし」
短めな二拍子の片足で
いつまでも目を閉じていたんだ…迷走に
…やがてクライマックスを迎えると、バイオリンの稜線は微かに響きあい
拡がる)))拍手の波は中心から円を描き
((打ち寄せて
あいつの姿も遠い彼方へと消えた
三拍子/第四楽章が始まろうとしている
瞼を開くと同時に、わたしは思わず立ち上がって叫んでいた
気恥ずかしさなど忘れてしまえばいい
四つ目の隣がいかり肩をすぼめ
山笠伏せたまま聴いていた 。










自由詩 ブラボーだんだん Copyright アラガイs 2011-11-30 14:29:58
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