裂け目から
合耕

そのへんで拾ってきた泥を一つかみ投げて
落ちてくる前に すごく笑った

「最近 肌の調子だけはいいの」
なんて言って
絵の具を塗りつけた筆のまま
叩かれても平気

おいしいほこりをいっぱい食べて
いらなくなった延ばし棒を掛けておいたら
バキバキ バキバキ
バキバキバキバキ

じゃまくさい雑草を刈る音が合唱
放り捨てたレンガが後ろに届くまで
一斉に打ち崩そうか

ものすごく遠くまで離れても見える
アパートの壁の裂け目から


自由詩 裂け目から Copyright 合耕 2004-11-21 20:53:33
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