神様のホバークラフト
合耕

砂粒が吹きこまないよう
電話ボックスを 黒いカーテンで仕切れば
その四角さを 上から見たくなって
少し笑った

優しい手ざわりを吸いこみすぎたこと
数え直しながら
いくつもの秘密の隙間を
すべて見てしまった後 また隠して

プロジェクターの前に着くと
どんなに後ろに座っても
一人きりな気がする

傾げるだけになった首でも
パン食い競争のような目で 見上げて
あなたが乗ったその船の下
みんな同じ顔でいられるのに


自由詩 神様のホバークラフト Copyright 合耕 2004-11-17 16:39:50
notebook Home 戻る  過去 未来