この子はわたしの
みい

おはよう、

立ち止まれるのは
げたばこだけ

あなたは、寒さには気づかない
わたしの
手が赤いのはしあわせだからです

髪が、さっきからおりてきて
邪魔をします




ほら、


この子がわたしのあたたかさです
この子がわたしの心臓です
この子はわたしのこころです
この子がわたしのつめたさで
この子はわたしの子宮です




このせかいを切り取って食べよう
ここにある冬、
すきなようにちょんぎって
あなたはとっても豪快だ
救急車のサイレンを一口で飲み込む

あなたは寒さに気づかない、
わたしのなかで守るべき殻なのです




この子はわたしのたまごです

気づかないうちにただ
大きくなるわたしの


この子はわたしのてのひらです

おひさまとおんなじ大きさの
このてのひらは
ほんとうはおひさまからとても遠いのです
それでも
ほら、わらってね、と言う

あなたの影がせかいでいちばん
真っ黒で、すきです











夢をみた

皮膚にすける、
わたしの血管だけが緑色で
せかい中のみんなは赤色だった

うそつき!
わたし、くにゃりと切られ、
真っ赤な血。うそつき、うそつき!
せかい中の赤い人たちは言う
あんたなんかしんじゃえ、

でもわたしは知ってる。
現実ではだれも、こんなことではしなない
もの


わたしの頭はとぶ。光を見た。
ネガみたいなまっくらの世界、すべてが反転する、
わたしたちのからだ、わたしたちのこころ、
戦争も、予言者も、唯一わたしがおっことしたあなた、
この子は、わたしの、
わたしの頭はとぶ、どれだけとんでもばらばらにならない、わたし
電波、なんかよりずっとすごい、もう

ずっと、昔からの、

色なんてもう、なんの意味もない、
さみしいさみしい
とてもさみしい


光を











夢をみた。

起きてすぐに、
あなたの頭をかかえて泣いた。

ゆるゆるの時間だっておんなじように過ぎてゆく






この子は、わたしのこどもです

ゆるりとだいてあげられる
かたちをちゃんともっている
こどもに似せた、かたちの






自由詩 この子はわたしの Copyright みい 2004-11-09 00:13:34
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