大人の対応
salco

東京電力会長に全漁連会長がもの申すの図
一都七県の電力供給を独占する巨大企業の頭目に
すなどる民がまみえるなどという椿事は
不祥事だけのスリー・ミニッツ劇場
書面なんかじゃ釘は刺せない
前代未聞の緊迫と針筵の無辺に社長は倒れ
目にも涼しい鶴のような老人が統括者として承る
白いライトの放列の中
弾劾にを下げる端正なこめかみがピクピク動く
阿弥陀くじ帝王学を生きて来た財界人の屈辱
こんな構図で気を晴らす視聴者もいるのだろう
「それにつきましては、最大限の補償をさせて頂きます」
低濃度汚染水タレ流しで生活権を侵害された怒りは
ごもっとも、こもごもごもっとも
だが感心しないのは続いての全漁連会長の言

「今後一切、原子力発電に協力はしませんっ」

だと?
んじゃ最前までは協力していたワケなのか
協力=積極的に賛同 または最大限控え目でも受容
つー事だろう?
それを今さら利害の破綻ひとつで翻すその心理
それとも存在物質の漏出が存在し得ないと信じていたのか?
その確信は事故で覆る程度の脆弱で蒙昧な信仰だったワケか?
それで、「協力」して来た自分の責任は誰に問うつもりだ?
そもそも「協力」の見返りは何だったのだ?

『原子力発電所誘致に関する漁労のホニャラララ』

フツーこれは政治家とやり取りされるべき利権だ
或いは、建設阻止から手を引いた経緯でもあったのか
損害は深刻だし危機管理の不手際は確かであれ、
漏出を止める為の放出という大局下に当事者が忙殺される中
「アタシが捧げたキモチはどーしてくれちゃうワケ?」
ソデにされた女みたいな捨てゼリフはどうかと思うワケ
今日び、利益誘導に汲々とするムネヲ型思想性には
ぴろっと白ける
♪海は広いな大きいな
無論、近海の幸はぜ〜んぶ、あんたらの生活手段だろう
漁業権下のお魚もその都度さぞかし弔いするんだろうよ


『海』 林柳波作詞・井上武士作曲 
『大漁』 金子みすゞ



自由詩 大人の対応 Copyright salco 2011-04-16 23:29:39
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