scean
あぐり




春風ときみの匂いがYシャツに はじけてはぜた朝です (おはよ。)



明け方の郵便受けでぼくを待つ群青の文字「What can I do?」



便利という言葉を上手く飲み込めない、わたしの頭は明日捨てよう



くちびるに人差し指で塗る言葉 「朝、ペンギンがとんでいたのよ」



「おまえって最低だよな」と吐き捨てて わたしを抱いてるきみの眼差し



宇宙一 さみしい音は果てしなく続く電話のコール音です。



塵一つ落ちてはいないこの部屋の 隅で息づくないものねだり



ムーミンの鼻から下を撫でながら優しいことばで喧嘩しようよ。



Tシャツの裾、滑り込む指の熱。遠くの町でサイレンが鳴る。



流星が屋根をかすめて燃える頃 きみは遠くの海で哭く人

 

公園のいちばん低い鉄棒に麦わら帽子を置いていく夜



いつまでも夢を振り撒く飛行機の しっぽみたいなキスでさよなら。



(世の中で726番目くらいにしあわせだったらいいな)











短歌 scean Copyright あぐり 2010-05-25 21:56:34
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