happiness
あぐり





さみしさを肯定できる朝だった、誰とも笑える人間だった。




どこまでも飛んでいけたら良いのにと 空にまたがりきみが呟く




隙間から風でも入る家ならば、もっと寄り添いあえたのかもよ。




わたしより大事なものがある人と 雨が止むのを待ってるホーム




さわれないものほど強く握りしめ 熱さばかりを確かめている。




明け方に光が切れる携帯の 裏に触れるとまだ温かい。




日焼けした首の後ろのぐりぐりが笑ってわたしを何度も見てる




パラソルと言ってペンで水玉をかいたビニール傘をさしてる。




言葉にもならないものを描いたけど、ねぇ、これっていったいなんなの。




腰骨の上だけ微かに日焼けしたきみとの夜はスイカをかじろう




どうしても此処にいたいという人の靴を洗って放り投げた。




ぼくたちの幸がおんなじ類いなら残らずきみにあげたっていい。




細すぎる汚い手首を翳しても瞳の綺麗な人がいました。




身体中、ひとりよがりにまみれても、きみを愛することはただしい




さよならの音、くちあたりが好きだから 呟いてるの (さよなら、さよなら)




せんせいが求めた香る健全さ。わたしはきみとの言葉を亡くした。




ひとつずつ、むらさきの斑点舐めながら 今日こそうまく眠れるように




すぐそばできみが泣いているのなら、それはどんなにしあわせだろう。




息を吸うことすら忘れて見つめあう、だから五月の脳は眠れず。




重すぎるわたしの海を浴びたから ぼやけた甘さできみは笑った




海水を口にふくんで笑いあう きみもわたしが嫌いでしょうか。




部屋を出て、鼓膜をふさぐその前に 窓を開ける音が聞こえた。




「いつかまた。」 いろんな人に言われたしわたしも誰かに言った気がする。





誰からも遠いところにきみはいて、それならわたしの隣なんだろ




どうせならきみがわたしを思い出し、泣いた瞬間、死んでみたいよ。




30分前までわたしは生きている ただそれだけで愛されてたの。




Getting better なんかは欲しくない 続いていくならそれがすべてだ




この坂をくだる時はいつだって泣いても無駄な朝焼けの中




少しでもわたしの言葉が響くなら、今すぐわたしを蔑めばいい。




どこまでもきみを想って生きている ただそれだけの人間なんです










短歌 happiness Copyright あぐり 2010-06-02 22:25:42縦
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