風には(春について2)
クローバー
風には、小人が住んでいる
足下は悠々として、涼しそうである
公園で、自転車を漕ぐ
膝関節に続く曲線は、
数式で表せそうなほど美しい。
遠くに、雨が降っているのが見える
大粒で白く
僕は濡れずに立っている
明るい空の下
白い雨の中を、ゆっくりと歩く
足早にすぎていく、
目を閉じた人はいない
空を見ては、少し口を開ける。
春である。
柔らかく動く生地を着て
ひな鳥は、親を呼んでいる。
自由詩
風には(春について2)
Copyright
クローバー
2010-03-31 23:13:31