桜 咲く
鵜飼千代子

雪の降り積む
季節の頃に
じっとつぼみを
育んできて
やわらかな光が
いま やさしく包む

きょう、桜の花が
咲きました

これからずっと
幾年も
ふたりでいつも
過ごします

暑い日寒い日
いつだって
ふたりで一緒に
過ごします

うれしい事は
花かんざしにして
髪にさし
泣きたい事は
ポケットに詰めて
ぽんっ、と叩きましょう

いくつもいつも
これからずっと
そんな風に
桜の花を眺めます
桜の季節を迎えます



         1998.4.19
日本詩人クラブ 2003年11月例会 
「会員による自作詩朗読と小スピーチ」にて朗読
詩集 ブルーウォーター 所収
http://homepage.mac.com/tmoegi/BW/BW/1info/pp/sakura-saku.jpg


自由詩 桜 咲く Copyright 鵜飼千代子 2010-03-28 13:23:46
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