毛糸の帽子と手袋を
じっと見つめる
星が、やがて、遠くにあるのだと
気がついたあのときのように
手は、空をきる。

映画館まで行かなくても
と、レンタルショップをうろつく
一人、彷徨く。
なんて、言えば、マシだけれど、
徘徊。と言われればそれまで。
結局なにも借りない。

世界は、お金を払う人に優しい。
と、思った、子供の頃
私のものを買うはずなのに
店員は、誰も、私に話を聞かない。
誰も、私に関心がない。
これは、今、思った。

思い切って、
買おう、と思う。
決断こそが、私の武器
買おう買おう、そうしよう
値札という砦を前に敗北する。
いつもの事さ
おひとり戦記。