ホテル・リグレット
クローバー

世界にはこんなにも海ではないものがある。
愛していると、言ってくれる誰かを捜している
愛していると、言っても問題ない人を捜している
ふとしたときに、それは、睡魔と悲しみの差がないとき
宇宙の始まりを考えたときに似ている
遠い未来をそれこそ生命のなくなった後の地球を思うとき
生命が始まる前の世界を思うとき
どうしてこんな風に、できてしまっているのだろうと
不思議で不安で、まるきりひとりぼっちのような感じがして
意味もなく周囲を見渡したりする
空には、壁が、下にも壁が、海の見える窓
小さく白いヨットが、浮かんでいる
白い部屋、前方には、ささやかな机があり、
手を置いて、罪を告白したくなる聖書が乗っている。
そんな、絵がある。


自由詩 ホテル・リグレット Copyright クローバー 2010-02-09 21:08:16
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