地の果て紀行 〜演歌風に
都志雄

大きな空だね
しょっぱい風だね

あの夏から
本当のことには気づいていたのに

雨の夜道はスキップで
始発列車は居眠りで
何をさがしてこの岬

灰青色の空模様
黙って映す海の色

ここまで来ても
どうしても
僕は僕でしかないのだと
風に飛沫しぶきは乱れ舞い

岬の海風つぎつぎと
運ぶ雲たち
僕は読み

信じたくなかった・・・


ミス・ビードルは消えてゆく
さびしき爆音響かせて

おかえり 
おかえり
おかえりと
誰かの声が呼ぶのなら

おかえり
おかえり
おかえりよ
沖のいさり火吹き消して







自由詩 地の果て紀行 〜演歌風に Copyright 都志雄 2009-10-05 18:33:54
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