初秋五首
都志雄

○ 真夜中の一人影踏み自販機の照明ばかり狂い咲く獄


○ 日の名残りは羽虫の痛みすれ違ううつむく女の目尻照らして


○ 川辺に来て砕ける鏡の切片に殺すはうろこ雲のみならず


○ 西日乗せ風は刈田ゆ茜さす君の黒髪吹き渡り弾け


○ 赤き数珠橋向こうまで連なりてやがて千切れて落つる曼珠沙華






短歌 初秋五首 Copyright 都志雄 2009-10-05 16:53:36
notebook Home 戻る 未来