晩夏シンドローム
あぐり

腫れ上がるまぶたをつつけば海がくる きみの愛した色は群青


絹色の裸足をさらう波音は ぼくらの意味さえ落ち着かなくする


「殺してよ」笑うきみの眩しさに 入道雲、雷を呼べ


紅林檎わたあめひよこ金魚すくい 花火を見上げるショートカット


踊ってる雨音の下、傘ささず 透けたシャツを隠しもせず


風鈴はぼくの代わりにきみを呼び ペデュキア塗りつつ生返事


夕焼けに吸い込まれてる雲を見て そろそろ終わりだ夏もぼくらも




短歌 晩夏シンドローム Copyright あぐり 2009-09-26 20:26:35
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