水町綜助

カインツホーム
ぼくたちは
ある晴れた
空白が青く
平屋の建物に
くり抜かれた
にちように
ポカリと口を開け
まぶしいと
顔をしかめながら
柱から斜めに切れ込む
影に半身を切り取られながら
認知した
あなたは
だれですか
ぼくは
ますたんぐの
66年式
です
カリフォルニアの
乾燥しきった
くうきのなかを
はしり
よるは
テールレンズの
赤色灯を
長すぎるシャッターのなか
ぶれながら
線を描き
ここへ
きたものです
わたしあなたをしってるどうやら
わたしも
乾いたくうきを
吸い続けてきたみたい
かわいてしまってるの
はだは
うすく
しめやかだけれど
それは
なつだから


ぼくは
ますたんぐの
66年式
ツーシータに
「わたし」をのせて
とうきょう
をはしる
たちかわを
しんじゅくを
久米川を
青梅と
カンパチを
カンパチには
青梅には
どんな
おとが
ひびくの
スキッドマークを
つける
タイヤと
その回る
おとがするの
とても早く
とても早く

ああ
もうこんなとこまで
きたんだね
あついね
たいよう
今日は
雨だけど
二日前のひかりはとてもかたかった
なんて顔
してんの
そんなに
つらいことじゃないよ
まぶしいだろう
ひかりのなかに
りんかくが
飛ばされて
かたちを
うでと
むねには
しっとりと
汗をかいてるんだ
からだの芯は
とてもつめたく
肌はあついんだ
それで
ちかづいて
肌のねつで
からだの芯を
つめたさを
あたためるんだ
あの
季節みたいに
だいて


自由詩 Copyright 水町綜助 2009-09-22 20:41:06
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