製氷器。午前1時。
あぐり



ハ、ロー。ハ、ロー。現在、は午前1時。僕の心の灰の水の心は、相も変わらず流れ続けている。目は慣れた。白蛇、だけを、認識していた目、に。90度曲がった部屋、の様子が浮かび上がってくる。背中の他所他所、しい温もり。おだやかな寝息。今、僕を包む製氷器の無機質な匂い。眼球は干され、だからこそ、あたたかさがとめどなく、流れて、いく。穴のあいたふすま、灰色。もう、誰もいない。脳のシワが、少しずつ消える。モノクロの夜、の中で。僕は自分の爪、が紫だという事を。ただ確信している。ハ、ロー。唇が動か、ない。くせに。呼吸出来ている、不思議。それはきっと偽悪。止まらない流れ、は。布団を灰色、にしていく。それだけ?僕の心。不感症。凍る、とはこういう話。痛覚でしか、感知できない熱。は温もりと、同様。針は長いのも、短い、のも無い。=正確に僕は夜の何処にいるのかわからない。わからない。わからない。わかっている、ふり。温度も。白蛇も。固さも。光も。形も。自分も。鏡、は全て逆ですから。午前1時、と僕の血管が言う。信じていない、だろう?僕も。呼びかける、他人。いなくなって自分も離れて。自称が、許される世界なら、離人症です、か?自傷が、許されている世界だから、夜は更ける程、赤、味を増すのだ。白と、赤、と黒が藍に混じる。愛。消えていく、思考、の言葉。心の、灰の、水、の心。製氷器が発光して冷える。僕の手、はもう呼ばれない。動き廻る眼球の、音がする。タイプライター、の曲。そこの意味、記号、を知らない。知らない。耳?耳で感じていけば良いのか。でも、ずっとうるさいだ、け。肌が滑らかさ、を失う。1つ、の意味。小さな音が、肌にまとわりつく。僕の肌で、何も伝えられはしないのに。髪が夜、の色。肌は、緑、と紫の唇。目は光を食べて、色が無い。だろう、という予感。今日が最後、だよ。もう朝はこない。それでも僕は、夜の定義を知らない。誰、かに聞こうとも、しなかった。手遅れ。漏れた胸の水で、布団は冷え固まる。そして、僕が浮かぶ。夢、を見ない。白蛇が、意識、を噛んだから。身動きのとれない、それ。まるで意思のある、人形。僕。固い、製氷器を、埋めていくどろどろとした、心の、灰の、水、の心。もう、そろそろ打ち止め、ではないか。あぁ、タガが外れて、いるんだ。抑まらない。止まらない。固くなろうとする、心。ハ、ロー。まだ呼んでいる、自分がいる?そんな、自分が、要る?タイプライター、の音が、ひどい。耳だけが痛い。音。記号に、何か、を感じている僕は、まだ人間、らしいの。カタ、カタカタカタ、カタ。エンド、レス。ハ、ロー。を打ち消す。白蛇の叫び、も何だか遠くなった。凍てつく、夜。干からびた、頬。眼球。唇。一番最初、に。固まった体を、まだ動かせずにいる。もう、きっと動かそう、という気力も固まって、何処か、に落ちていった。それは、もしかしたら製氷器の、中?かもしれない。飲み干したい。嫌に喉が渇いた。心の、灰の、水、の心を飲む。けれど、これらは1つ1つ区切られて、固まり、保存。の筈、だから。僕がごくごく、もしくはがりがり、と元の出所、げんみつ、には違う胃に戻してしまえば、どうなると思う。アルファベットで、数えて製氷器にどれぐらい注がれた、僕の心の、灰の、水、の心。夜、と混じりもせず。発光して冷える四角に収められ、ていく。早く、速く。凍れよ。凍れ、よ。僕は、それ、だけ、を、待って。白蛇に、その固さ、冷たさを、投げ、つけてやりたい。夜。今は、夜?主導権。僕か。白蛇か。製氷器か。答えは、無い。無いよ。赤、味を増していく、夜。深い、とは赤い。赤。夜と赤。夜は、赤。だから、青く見える、のだよ。多分。そうしていても、タイプ、ライターは、うるさい。もう舌まで、カタカタ。伝染。震えて、いた、のは僕だけではない、の。誰かの発する、空気。指の形。タイプ、ライター。止まれ、止まれ。もう少し鳴って、いて。製氷器を震えさせて、僕の心、の、灰、の、水。が、落ちていく。これが運命、の例。目に見えた。要らない、もの。感情に関係なく、落とされ、ていく。それは、1つ残らず、僕の心、であったもの。流れず、落ちる。落ちる、感情に落ちていく感情。心の、元栓が、まだ凍てついて、いないから、午前1時、を多分過ぎていても、製氷器の上に落ちて、いく。そして、製氷器から、落とされ、ていく。止まらない心の、灰の、水、の心。でも、落ちる、程度に凍てついて止まって、きただろう?ハ、ロー。見て。こんなに、製氷器は、僕を、受け止めた。冷え、る。冷え、たら固まる。自然。タイプ、ライター。温もりの、言葉、など僕はいらない。カタカタカタカタカタカタ、カタ、カタ、カタ、タ、タ。止まる。誰か、も。僕を置いて寝るのでしょう。良い。もう。夜に息をする。僕と、白蛇と、製氷器。自分のもの、は。もうこの水だ、け。くる。くる。くる、よ。午前1時が終わる、から。夜はまた赤、味を増して、冷たく、深く、なる。発光する、製氷器。叫び続ける、白蛇。動かない、僕。落ちていく。ハ、ロー。聞き、とれますか?本当に、とれて、いるのですか?僕。凍てつく。痛覚。浮かぶ。世界。感知、しない。誰も、いらない。止まれ、よ。今、に。もうすぐ。夜が更ける。落ちて、いった僕の、心、の、灰、の、水。受け、止める。ハ、ロー。






自由詩 製氷器。午前1時。 Copyright あぐり 2009-09-19 18:11:28
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