ピストル
1486 106

僕はただ認めてほしかっただけ

僕はただ慰めてほしかっただけ

僕はただ支えてほしかっただけ

僕はただ受け入れてほしかっただけ

「僕は間違っていたのかな?」

尋ねてみるとピストルは答えた

「間違っているのは世界の方さ」



僕はただ気付いてほしかっただけ

僕はただ励ましてほしかっただけ

僕はただ受けとめてほしかっただけ

僕はただ愛してほしかっただけ

少し怖くなってピストルに聞いた

「天国ってどんなところかな?

「ここよりはずっとマシなところさ」



僕は何もほしくはなかった

ただ愛してほしかっただけ

銃口をこめかみに押し当てると

ピストルは静かに囁いた

「もうすぐ楽になれるよ」

「3・・・2・・・1・・・・・・・」















動かなくなったのを確認すると

ピストルは静かに呟いた

「天国なんてありはしないさ」


自由詩 ピストル Copyright 1486 106 2009-05-04 20:34:52
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