INNERGARDEN
本木はじめ

夕暮れに花を選べばひまわりが遠いどこかでうなだれている


草むらの茂みに隠れ咲いた花ひとりの兵士 目は閉じたまま


ゆっくりと開いてゆくの花びらがだからわたしは滅んでゆくの


枯れすすき分け入りぼくら歩いたね白鷺埋めた雨の日の夜


枯れ果てた桜の下に寝転んで嫌いなあなたを花しましょう


時計草音なく刻み花開くおわるはじまりはじまるおわり


黒百合に語りかければいつまでも辿り着けない次のゆりかご


どうしてもぬぐいきれない花粉ですいっそこのまま咲いてみますね


旋回し種子をついばむ鳥たちが夜へ飛び立つ開花のように


どこまでも広がる菜の花畑にて青空見上げ流星を待つ


背中から駆け出してゆく花びらよわたしを返せわたしを還せ


短歌 INNERGARDEN Copyright 本木はじめ 2004-08-15 20:40:54
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