HANGINGGARDEN
本木はじめ

飛行船はるか下方に点となり僕らふたりは帰れないまま


「ふらわぁ」と君がひとこと呟けば辺り一面芽吹きだす花


明け方に鏡の部屋に迷い込み乱れ咲いてるきみの朝顔


花園で追いかけごっこ足元に落ちてる薔薇につまづいたきみ


こうやって虫と葉っぱを手にとって結んで開けば蝶が飛びます


風が吹き抜ける夕暮れ花々がまるでまばたきしてるみたいね


くっきりと目を見開いて夜空見るここもいつかは流れゆく星


ぐるぐると回っていましたひまわりと首が折れたね君の負けだよ


新しい汚染に耐える花びらがいちまい手中に残っているだけ


ひとときの二人のじかん過ぎ去って落下してゆく空中庭園


短歌 HANGINGGARDEN Copyright 本木はじめ 2004-08-16 20:41:25
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