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水町綜助
何もない昼に
見てみたいのは
海の上に向かう道の街路樹
真夏の光
三十三度以上の空気が揺らめき立ち上る町の
そのビルの斜面
ざらついた肌
金色に濡れたみたいに見える
町から人が去っていく
唐突な沈黙をしながら
追う術もなく
僕も沈黙する
大気は揺らめき立ち上る
以前と何の変化もなく
町の音が聞こえる
仰向けに寝ている僕の耳に
それはとても遠くに聞こえる
いまより少し前のころを思い出す
思い出すだけ懐かしくはない
何もない昼に見てみたいのは
街路樹の輝き
そしてちまたで退屈と呼ばれてる空白の裏側
空飛ぶ紙飛行機の行方
ようするに昨日見た夢の結末
お誂え向きな季節
今は真夏
三十三度で溶けるこの世界に
溶かし込んでみたい
町を走りまわりかき混ぜて
白線をなくしてみたい
僕はそれを望み
世界はそれを拒むか
そこまで考えもしないか
どちらだっていいことだ
というかわからない
だから僕はしかられるまで溶かしてかき混ぜてみる
自由詩
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Copyright
水町綜助
2008-12-08 13:52:41
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