ペガススの天窓
塔野夏子

ひとり夜を歩く
頭上には
ペガススの天窓

自分の足音が
なぜかしら胸に迫る
何を思えばいい
何を どう思えばいい

道は暗くしずかに続いている
心をどこに置けばいい
心をどこに どう置けばいい
いや 私が心と名づけているもの
それは本当に心なのか

かつて憧れと呼んでいたもの
それを今はどう呼べばいい

どの問いにも
答えなどなく
この身はずっと何かを赦されないまま

道は暗くしずかに続き
自分の足音だけが
なぜかしら胸に迫る

頭上には
ペガススの天窓
ただひとり
夜を歩く





自由詩 ペガススの天窓 Copyright 塔野夏子 2008-12-05 11:08:24
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