点在の火
塔野夏子

分光器の憂鬱
天象儀の退屈

を あざやかにうちやぶる角度で
挑むようにひらり舞い込む
あやうい好奇心

極光のように繊細な予感を追いかけて
けれど焦れても
いちばん深い記号は
そうたやすく投影されはしない

そしてわからなくなる
試しているのか 試されているのか

分光器の退屈
天象儀の憂鬱

を あざやかにうちやぶる輪郭で
眩むようにひらり身をかわす
きわどい好奇心

けれど少年だから
透かし見せてしまう
意識の向こうに絶え間なく震える
点在の火



個人サイト「Tower117」掲載






自由詩 点在の火 Copyright 塔野夏子 2008-11-29 11:44:28
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