剥離
鎖骨




ああようやっと読めました
ほんとうにほんとうに久し振りに
ともするとひとところばかり
見る羽目になるところでした
睨みがちでぶくぶく
凝らしてちりちり余計に霞んだ瞳
眼圧がいちだん高くなってしまったようで
もうあと幾許もないようですが
すっと澱が解けたのです
ただ一瞬のことでしたが
そうして少し晴れました
狂っていたこと
決めていた有り様と
許さなかった甘えと
認められたかったなんていう
ふやけた過ち
要は
考えずにあればよかったの
まっさらに開けた小景ひとつで
そのほかには何も
まっさらに開けた小景ひとつで




自由詩 剥離 Copyright 鎖骨 2008-09-12 01:54:05
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