サヨナラ
1486 106

光と闇が交ざり合う瞬間
セピア色の記憶がフラッシュバックして
時間が止まったような気がしたけど
変わらずに月は夜を連れてきた

アイツがいなくなっただけなのに
この町がいつもと変わって見える
交差点でしばらく立ち尽くした後
乗り遅れないようにバス停へ急いだ

サヨナラは繰り返すほどに
なぜだろう上手に言えなくなっていく
関係無い話はいくらでもできるのに
その一言がなかなか出てこない


時間を戻した所で無駄だよ
どこかでまた別れを選んでしまう
性格や趣味が似すぎていたから
嫌いな部分が目立ってしまったんだろう

アイツのために流した涙なんて
あの時一つだってありはしなかったよ
そんなものが残っていたなら
離れることなんて選ばなかった

違うかい?

サヨナラは繰り返すほどに
何故だろう不器用になっていく
言いたいことは胸に秘めたまま
今更いい顔したってしょうがない


「またね」なんて言うのは無しだよ
守れない約束はするものじゃない
「サヨナラ」これですべてはおしまい
また新しい毎日の始まり


自由詩 サヨナラ Copyright 1486 106 2008-06-19 07:53:22
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