偽物の光と影を借りてくる
あおば

                08/02/08



この町の銀座商店街が廃れたのと、
裏側から声がするので、
猫のような顔をした男が、
中途半端な目付きで寄ってくると、
少し気味が悪いので、
今日も右側に少しだけ道を空けるのです。

よく晴れた朝には、
可愛い顔した毛並みのよい三毛猫が、
跳ねてくるので、
抱き寄せてほおずりする毎に、
商店街の男達は狂いだし、
女達も腹を抱えて走り出し、
小学校と中学校を誑かしては脱構築し、
こどもたちを蒸し焼きにする。

高等学校は、
よいこのふりして、
大学生のような顔をした犬に、
顔を舐められて、
少しくすぐったいけど、
我慢している。

大学入試センター試験が終わったから、
高校3年生はタバコを吸ったり、
人殺しの実習を再開し、
人生の高度化推進を続行する。

廃れた町のなけなしの裏金で、
補正予算を組んだから、
もう大丈夫、
若年寄の元気のよい掛け声に、
毛並みのよい三毛猫は元居たところに戻り、
中途半端な気持ちのまま、
商店街はつまらなそうな顔で昼食を頂いております。

嘘つきは泥棒の始まりだと、
可愛い顔した三毛猫も知っておりますから、
毛並みのよい三毛猫もニャャと鳴いたり、
ノドをゴロゴロさせて勉強するふりして、
今朝の飼い主のご機嫌を伺うのです。



自由詩 偽物の光と影を借りてくる Copyright あおば 2008-02-09 00:39:27
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