グランマ
田島オスカー


いつもそうでした
いつもいつもそうだったのでした
悲しいことだと思うでしょう でも確かだった
僕は いつもいつも 忘れられずにいたのです
しかしきっと 今でも

ガラス細工越しの 西日が
今日は一段と赤くって
そしてまた ふっと
忘れていないということに 気付かされるのでした
そうまるで 二度と思い出さないほどの強さで
僕は胸に 深々と刻んでいたのでした

貴方の 強かった目の光も
口元の優しさも 指のほんの少しの頼り無さも
全てとはいわないまでも しかしそれは深々と

西日に負けて もう頼るものも無くなって
今や貴方のことしか 思い出せなくなりそうです



自由詩 グランマ Copyright 田島オスカー 2004-05-02 21:01:27
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