知らない体
チアーヌ

今日も良い天気

環状8号線から
ちょっと入ったところ
思ったよりも静かな
住宅地

不思議なデザインの
ブルーのマンション

窓からのぞく
子供の顔に
挨拶しようと
手を振った

かわいい女の子

お散歩は
楽しい
どこかべつの場所へ
行けるようで

べつに
変った暮らしじゃ
なくてもいい

違うマンションの
べつの部屋に
住む誰かと
少しだけ
交代したいなと
思ったりする

例えば
あの女の子の
ママと
交代して

知らない
誰かを
待つ

知らない花に
水を遣り

知らない部屋を
掃除する

知らない子供を
寝かしつけたら

知らない誰かに
抱かれる

窓の外の
知らない風景は
どんな風に
見えるかな

わたしの体も
知らない体かな









自由詩 知らない体 Copyright チアーヌ 2004-04-13 22:36:45
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