はさみ
チアーヌ

ずっと泣いていたら
とても疲れて
座った場所から
動けなくなってしまった
       
世の中には
どんなにがんばっても
どうしようもないことが
あるのだと
知ったあの日

ただ泣き続けた
大きな重い石が
体に取りついたかのように
ぺしゃんこに潰されて

朝になって昼になって暗くなっても
ただそのまま

ときどき泣き止めば
涙は枯れない
どんなに泣いても

体の半分を
なくしてしまったかのように

泣く

そしてわたしは

はさみを取り出して何度も切ってみる
何もかも切ってみる

呪いの言葉を嗚咽と共に吐き出しながら

何もかも粉々にしながら



自由詩 はさみ Copyright チアーヌ 2004-04-13 15:44:59
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