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 路の端
 行きすぎるヒトの脚許
 恐れもせず
 ヨチヨチ
 
 細い舗道で歩調ゆるめるヒトたちの視線
 浴びる君はなんとか
 横断すると
 また 喫茶店のガラス扉の前
 軒下う ....
 給料日 仕事上がりに立ち寄るATM
 その銀行の隣に花屋がある
 軒先、白い看板には飾り文字で「花音」

 店内は細長いスペースで奥行きあり
 入り口に色とりどりの花の苗が陳列していた
 ....
 
 雨あがりの夕まぐれ
 駅前通りの小路で見かけた
 たどたどしい足どりの小さな長靴

 ランドセルは背負っていないけれど
 スクールスカートを履いて
 片手に持つ二つ折りの画用紙
 ....
 その視線はどこを見るでもなく
 誰を みるでもなく
 そして何に
 留まるでもない

 体になじむポロシャツと
 洗いざらしな作業ズボン姿のおじさん

 きっとシルバー人材センターか ....
 風の中に雨がむせび

 雨の中に女がむせぶ

  長く長く
   細く細く


 胸の中に
 容赦なく風が吹きこむ度
 
 血潮のいとおしさに女はむせぶ
 
   過ぐる日 ....
 地元走るローカル線を無人駅で降り
 山裾へのぼる細い道で足を止めた
 通りすがりの一軒家

 茂る枝葉を被った鉄の門
 奥に木造の二階建て
 軒下には蜘蛛の巣が灰色の層になっている

 ....
 地元走るローカル線を
 無人駅で降り
 山裾へのぼる細い道で足を止める
 通りすがりの一軒家

 枝葉被った鉄の門
 奥には木造の二階建て
 厚地なカーテンひかれたままの窓
 
  ....
 ある人を喜ばせる役目を終えて
 そのメルヒェンを忘れ果て
 路上に居る様には見えなかった
 マスコットキャラクターの小熊

 目的のある足は目も触れず通り過ぎて行く歩道で
 しゃがみ込ん ....
 
 
 既に色褪せて重たく落ちている花片を
 踏みながら歩む林の中は
 もう黄昏ている

 椿林の木立
 わずかな隙間から
 聞こえる波濤のどよめき

 腰をおろしてみなさい
 ....
 「うまそうやなぁ!」
 いきなり頭上から降ってきた補佐の声
 昼休憩時
 開いたわたしのお弁当

 ほうれん草の胡麻和え
 切り干し大根の煮物に出し昆布の千切りまで入り
 かぼちゃの含 ....
 その日は夕方までに出張先を二箇所回る予定だった
 庁舎の駐車場を出発した公用車のバン
 
 走る 湖岸道路から
 雪化粧した比叡の山陵が見えて
 ハンドル握る主幹へ助手席の私はたずねる ....
 「朝顔を咲かせてきたの。」
 始業時間のチャイム鳴る前、
 いつもより遅れて出勤した私は
 理由尋ねる彼女へ答えた

 君よ 開け
 線路わきの道沿いで
 私の手が一輪の花へ伸びた
 ....
 日本海に春の来た時は
 静かに 静かに
 目をとじてみると
 生命ない小石が激しい息吹をもらす

 波 寄せる毎
 丸くなり
 カラカラ カラカラ と
 妙に乾いた音たてて
 踊り ....
 
 ジャンジャン横丁を
 制服姿の女子の二人乗りが突っ切って行ったのは
 もう十数年も前になる

 後部に座る子の脚が長いのか
 見送ると大胆に
 自転車の幅からすんなり伸びる白が左右 ....
 
 JRの車輌、
 扉の傍に立った私の向かい側にいて
 身を寄せ合う二人の男性
 
 つい見惚れてしまう私の目には
 まるで月のもと
 ただ蒼白く静まりたる世界で
 澄んだ瞳に引きし ....
 朝のスープの
 セロリの香り

 悲しかった様な気がする昨夜の夢を
 おぼえていない 朝の靄
 一匙ごと かるくスプーンを動かしていると
 一口ごと すくいとられて胸の中へ流れこむ

 ....
 いく本かの 樹が
 チロチロ陽を洩らす太い枝に一羽きて
 また二羽が来る
 小さな頭を左右に振って
 最初にきた小鳥が身を投げ出すように低空飛行
 今し方 私達が登って来た細道へ向かう
 ....
 ある晴れた日に一軒家の庭で
 赤い五枚の花片をしっかり開く大きな花を
 母と見たのは昔の話
 花の名前が思い出せずに 覚えた小さな胸さわぎ

 茎が真っ直ぐに伸びた葵科の花
 「この花は ....
 
 仮設足場組立工事が始まると 
 いつの間にか ダークグレーな防音シートは 
 しのつく雨に暗く、まるで
 封建制度の時代にたてられた牢獄の様に
 そびえていた

 からだのモヨウが ....
 
 熱帯植物のあでやかな緑生い茂る中に
 消えていった友人の後ろ姿
 
 呼吸の度 緑の香が私の心染めてゆく

 樹々の名前など知らない
 私の身体中が
 心中が
 熱帯樹のしめり ....
 花の時がすんで
 雨の時が来
 山の青く美しい時がすんで
 薄墨にけむる時が来

 それでも あなたがそばにいてくれると
 私の心は
 ブラインドカーテンから差し込む朝の光に
 床を ....
 僕の隣に立つ女は長身でショートカット
 切れ長の吊り目が奥二重
 パーマのかかった短いまつ毛
 手に布製のブックカバーを持っている

 ああ、どうして彼女は
 こんな下地の色に淡雪の様な ....
 熱いゆげをわけて
 ちりれんげですくって
 ふう ふう 吹いて食べるのです

 舌の上にのせた豆腐が
 かすかに香って崩れる時
 ふと時間は逆戻り

 勤め帰りのスーパーで
  ....
 さっきから私の背を追ってくる
 オヤジ節の様な咳払い
 切れない痰のしつこさに男はどんな顔しているのだろう

 振り返り見ず 歩く私の前にはさっきから
 くるくる回る
 まぶしい笑顔のデ ....
 京都駅構内のアスティロード商店街を抜けて
 おもてなし小路を行くと連れの彼女が独りごちる
 「うわ、六百十五円やて!」

 何事かと 彼女の視線みると
 老舗珈琲店の店先ショーケースにはり ....
 比良の山を
 汲みあげようと柄杓星
 ゆったり横たわる りゅう座の下に

 カシオペアの東には
 アンドロメダがのびやかな弧をえがき
 めぐる星座は三百万光年の彼方の大銀河を抱いて
  ....
 ベランダで洗濯物を干す
 私の耳にずっと
 とどいている安穏な響き

 それは近所だけれど少し離れているため
 うるさくもない 建設中のマンション工事の音

 手が空いて 見下ろす ....
   ✴︎サルルンカムイ

 丹頂鶴って、アイヌの人たち神様て呼んできたんやね。
 湿原の神!高貴やんなぁ。

 池を模った浅いプールで一羽が まかれて有る小魚を 
 黒い足先添えながら長 ....
 {ルビ十重奏=デクテット}な鈴虫の競い鳴きに
 飲んだアイスコーヒーのグラスもそのまま微睡む 
 日暮れ前

 曇りならば昼間でも鳴く
 それは{ルビ八重奏=オクテット}から{ルビ七重奏= ....
 クラスメートのMさんは
 その日も
 大学生の彼氏の自慢話ばかりする
 そんな彼女と近頃
 廊下でたまにツーショットだったS君とが中庭で二人
 待ち合わせて下校する姿を見てしまう

  ....
平瀬たかのりさんのリリーさんおすすめリスト(111)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
街カラス[まち角11]- リリー自由詩5*23-6-29
花とボタン- リリー自由詩12*23-6-28
浮き草[まち角10]- リリー自由詩4*23-6-25
朝のシャンソン[まち角9]- リリー自由詩9*23-6-24
風の中に- リリー自由詩7*23-6-23
引幕(「廃家」[まち角8]改訂)- リリー自由詩6*23-6-20
廃家[まち角8]- リリー自由詩4*23-6-18
メルヒェン[まち角7]- リリー自由詩4*23-6-17
南の果の岬- リリー自由詩5*23-6-17
愛妻弁当- リリー自由詩3*23-6-16
阿吽の呼吸- リリー自由詩4+*23-6-15
金網- リリー自由詩3*23-6-12
橋立にて(「小石」改訂)- リリー自由詩7*23-6-12
新世界にて[まち角6]- リリー自由詩6*23-6-10
ゼウスの子[まち角5]- リリー自由詩3*23-6-10
ひとつの歌- リリー自由詩4*23-6-8
- リリー自由詩7*23-6-4
紅葉葵[まち角4]- リリー自由詩6*23-6-4
ニュータウン[まち角3]- リリー自由詩4*23-6-3
温室- リリー自由詩5*23-6-1
べにいろ- リリー自由詩3*23-5-30
グラデーション[まち角2]- リリー自由詩7*23-5-28
湯豆腐- リリー自由詩10*23-5-26
- リリー自由詩3*23-5-24
アップルパイ- リリー自由詩8*23-5-23
銀河- リリー自由詩4*23-5-22
落陽- リリー自由詩4*23-5-18
At__The__Zoo___①- リリー自由詩2*23-5-17
アンサンブル- リリー自由詩7*23-5-15
ある星- リリー自由詩4*23-5-15

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